商品代13,000円、送料など16,000円。Alibabaで初めて発注した日の全内訳
前回の「配当より、届く封筒が嬉しかった。株主優待にはまって外食の株を集めた話」の続きです。
投資の話がしばらく続いたので、ここからは中国から商品を仕入れはじめた頃に戻ります。
今回は数字の話だけをします。初めてAlibabaで発注したとき、商品代は約13,000円でした。送料などは約16,000円です。
3〜4社に、同じ英文をまとめて送った
Alibabaで「36 grid 透明 パーツケース」と検索すると、サプライヤーがずらりと並びます。
価格、MOQ、レビューの数、対応してくれる言語。見る欄はいくつもありますが、どれが良い業者かは一覧を眺めても分かりません。
なので、3〜4社に同じ文面を同時に送りました。
Hi, I'm interested in your product.
Could you give me a DDP quotation to Japan for 60 pieces?
Including shipping cost, customs duties, and consumption tax.
Looking forward to your reply.
英語が得意なわけではありません。これで通じるのかと思いながら、送信ボタンを押しました。
MOQやDDPという言葉の意味は、中国輸入で最初に気をつけたこと。DDP・送料・MOQ・検品の話にまとめてあります。ここでは繰り返しません。
決め手は、金額ではなく見積もりの書き方だった
返ってきた見積もりは、業者によってまるで違いました。
金額を一行だけ送ってくるところ。商品代と送料と税を分けて、内訳で見せてくれるところ。
僕が選んだのは、返信が早くて、内訳を細かく出してくれた業者です。価格はいちばん安くありませんでした。
初回で怖いのは、高いことではなく、何にいくらかかっているか分からないことだと思ったからです。
「安い業者より、説明してくれる業者」
商品代13,000円。1個217円と知って、にやけていた
発注したのは36グリッドの透明パーツケース60個。なぜこの商品を、なぜ60個にしたのかは初回ロットを発注した日の記事に書きました。
確定した商品代は、60個で約13,000円。
1個あたり約217円です。
近所の店で似たケースを見ると、これより高い値段がついています。それが1個217円。画面を見ながら、僕は完全に口元がゆるんでいました。
このときはまだ、これが総額の半分にも届かないと気づいていません。
送料などの合計が、商品代を超えた
次に届いたのが、運ぶための料金です。合計で約16,000円でした。
数字を二度見しました。商品代より、運ぶ側のほうが高かったからです。
商品代の約1.2倍。60個のケースを日本まで運ぶだけで、中身より高い金額がかかる計算になります。
内訳はふたつに分かれていました。
- 中国国内の送料と代行手数料:約2,500円。工場から代行業者の倉庫までの分です
- 国際送料と関税と消費税:約13,500円。DDPなので税が織り込み済みです
「何かの間違いでは」とメッセージを打ちかけて、やめました。理由を並べたら、全部当たり前だったからです。
- かさばる:36グリッドのケースが60個。重さより体積が効きます
- 課金の単位が違う:国際輸送は重さと体積で値段が決まります
- 税が入っている:DDPなので関税と消費税が織り込み済み
- 速さの分だけ高い:日本までの航空便は特に高くつきます
僕は商品を見ていて、荷物を見ていませんでした。
実際に払ったのは29,031円
全部足すと、こうなります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 商品代金(60個) | 約13,000円 |
| 中国国内送料・代行手数料 | 約2,500円 |
| 国際送料・関税・消費税(DDP込み) | 約13,500円 |
| 支払総額 | 29,031円 |
商品代が総額に占める割合は、だいたい45%。残りの55%は、運ぶための料金です。
安く買ったつもりが、支払いの半分以上は運送費でした。
1個217円が、1個484円になった
29,031円を60個で割ります。
1個あたりの仕入れ原価は、約484円。
商品代だけを見ていた217円と比べると、約2.2倍です。
同じ商品、同じ60個。見る場所を変えただけで、原価が倍を超えました。
この60個をいくらで売るつもりだったのかは、最初の記事に書いたとおりです。あの想定売価から引くべき数字は、217円ではなく484円のほうでした。
注文前に思っていたことと、実際にかかったもの
発注する前の頭の中と、請求の中身を並べてみます。
| 注文前に思っていたこと | 実際にかかったもの |
|---|---|
| 中国輸入は商品代が安い | 商品代は本当に安かった。1個217円 |
| 送料は数千円くらいだろう | 約16,000円。商品代の約1.2倍 |
| 払うのは商品代と国際送料だけ | 中国国内の送料と代行手数料が約2,500円乗った |
| 原価は1個217円で計算できる | 原価は1個484円。約2.2倍 |
左の列は、リサーチしていたときの僕です。数字がひとつも合っていませんでした。
外れ方に法則があるのも、あとから見ると分かります。安く見積もっていたのは、いつも商品以外の部分でした。
それでもDDPを選んだのは、間違っていなかった
送料に驚いた話を書きましたが、DDPにしたこと自体は後悔していません。
見積もりの時点で総額が確定するからです。届いてから「関税で追加になります」と言われる不安が、最初からありませんでした。
初回は、安さより金額のブレをなくすほうに価値があると思っています。
慣れてくれば、輸送を自分で手配して送料を削る道もある。それは、数を回してから考えることです。
僕が最初に知っておきたかったこと
- 送料を先に聞く:商品代を見て気分が上がる前に、DDPの総額を聞けばよかったです
- 比べるなら総額で:僕が最初に見ていたのは商品代の欄でした。並べるべきは総額のほうです
- かさばる商品は不利:軽さより体積。同じ60個でも、薄い商品なら送料は変わったはずです
- 国内の分も乗る:中国国内の送料と代行手数料で約2,500円。僕は国際送料しか見ていませんでした
4つ並べましたが、結局は「商品代の欄だけを見ない」の言い換えです。当時の僕は、その欄だけを見て発注ボタンを押しました。
総額を60で割って、やっと仕入れになった
29,031円は、大きな金額ではありません。
それでも、この内訳を自分の口座から払って初めて、中国輸入が「安く買う遊び」から「原価を数える仕事」に変わりました。
商品代217円でにやけていた自分を、笑うつもりはありません。あの日にちゃんと驚いておいたから、いまは総額から先に聞くようになりました。
見積もりの総額を、仕入れた個数で割る。覚えたのは、それだけです。
次回は、この発注ボタンを押すまでに何が怖かったかを書きます。届かないんじゃないか、全部不良品なんじゃないか。初めての海外発注で考えた不安と、その手当ての話です。