暗号資産の税金は最大55%。翌年の確定申告で白目を向いた話
前回の「800倍の利益で「散財」した話。お金の知識ゼロで使い方を間違えた記録」の続きです。
散財していた僕のところに、予告どおり「あれ」がやって来ました。税金です。暗号資産の利益にかかる税率は、最大で 55%。稼ぎの半分以上でした。
利益が出た年と、税金を払う年はズレる
換金したとき、口座には見たことのない金額が並んでいました。当時の僕は、それを全額自由に使えるお金だと思っていました。
実際は違います。暗号資産の利益は、翌年の確定申告で税金を納める仕組みです。入金された瞬間のお金は、ぜんぶ「税引き前」。
このタイムラグが、人を油断させます。僕は見事に油断しました。
最大55%。「雑所得」というルールを知らなかった
暗号資産の利益は「雑所得」に分類されます。株の利益(約20%の分離課税)とは違い、給料などと合算して税率が決まる 総合課税 です。
所得が大きいほど、税率も上がります。ざっくりこんなイメージです。
| 課税所得 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 〜195万円 | 5% | 10% | 15% |
| 〜330万円 | 10% | 10% | 20% |
| 〜695万円 | 20% | 10% | 30% |
| 〜900万円 | 23% | 10% | 33% |
| 〜1800万円 | 33% | 10% | 43% |
| 〜4000万円 | 40% | 10% | 50% |
| 4000万円超 | 45% | 10% | 55% |
上の段に行くほど、稼いだ額の半分以上が税金になります。株の約20%と比べると、倍以上重い。
僕がこの表をちゃんと見たのは、換金した「あと」でした。
確定申告ソフトに出た「納付すべき税額」
年が明けて、確定申告の時期が来ました。換金の記録を集めて、損益を計算して、申告ソフトに打ち込んでいく。
最後の画面に「納付すべき税額」が表示されました。
息が止まりました。
「え、これを、払うの?」
数字の桁を、3回数え直しました。入力ミスであってほしかった。でも何度やり直しても、同じ数字が出ます。
これが1回目の白目です。
納めて安心した3ヶ月後、市役所から封筒が届く
所得税は、確定申告のあとに納めました。口座の残高は一気に減りましたが、「これで終わった」と思っていました。
6月。市役所から分厚い封筒が届きます。
住民税の通知書 でした。
「……これも、払うの?」
2回目の白目です。住民税は前年の所得に対して、あとから請求される仕組みでした。しかも一括ではなく、6月・8月・10月・翌年1月の4回に分けて払い続けます。
大きく稼いだ年の記憶が薄れた頃に、請求だけが追いかけてくる。これが「住民税ボム」の正体です。
会社員じゃなかったら、三段撃ちだった
僕は会社員だったので、健康保険料は給料ベースのままでした。これが国民健康保険だったら、保険料も前年所得に連動して跳ね上がります。
フリーランスや自営業の人は、所得税・住民税・国保の三段撃ちになる。あとから知って、会社員でよかったと初めて思いました。
散財した僕に残されていたもの
前回書いたとおり、僕は換金したお金でテレビやビックスクーターを買っていました。あのお金には、まだ税金がかかっていなかったのに。
つまり僕は、国に納める分まで使っていたんです。
残っていた現金とステーキングの収入をかき集めて、納税はなんとか乗り切りました。ただ、このステーキングがのちに、税金計算そのものを地獄に変えていきます。それはまた別の話。
僕がこうしておけばよかったこと
- 換金した瞬間に、55%を別口座に隔離する。使っていいのは残りだけ
- 申告ソフトに打ち込む前に、ざっくり税額を試算する。あの画面で初めて知るのは心臓に悪い
- 6月の住民税まで含めて「税金」と数える。所得税を納めても、まだ半分です
どれも、表をひとつ知っていれば防げたことでした。
高すぎたけど、一生モノの授業料
白目を2回向いたこの経験は、正直いま思い出しても胃のあたりが重くなります。それでも、この納税で僕は初めて「稼ぐ・使う」の先にある「納める」と向き合いました。
今は、換金する前に税額を試算する習慣ができました。稼いだお金の半分は、最初から自分のものじゃない。そう考えるようになってから、お金の計画はむしろ立てやすくなりました。
税金は罰ではなく、最初から決まっているルール。ルールブックは、試合の前に読むものでした。
次回は「ステーキングの税金計算が複雑すぎて、頭を超えていった話」を書きます。