ステーキングの税金計算が複雑すぎて、頭を超えていった話
前回の「暗号資産の税金は最大55%。翌年の確定申告で白目を剥いた話」の続きです。
白目を2回剥きながらも、納税はなんとか乗り切りました。ほっとしたのも束の間、次の確定申告の準備で、僕はもっと地味で、もっとしんどい壁にぶつかります。
ステーキング報酬の税金計算です。
ステーキングは「持っているだけでもらえる」はずだった
ステーキング(暗号資産を預けておくと、報酬がもらえる仕組み)は、当時の僕にとって夢のような稼ぎ方でした。売り買いしなくても、毎月報酬が入ってくる。
この毎月の収入で気が大きくなって散財した話は、前々回に書いたとおりです。
問題は、その「もらう」瞬間に起きていました。
報酬は「受け取った瞬間」に課税されている
申告の準備で調べものをしていて、僕はある一文にぶつかりました。
「ステーキング報酬は、受け取った時点の時価で雑所得になります」
……受け取った時点?
そうです。売って日本円にしたときではなく、報酬がウォレットに入った瞬間に、そのときの価格で所得が発生していたんです。
しかも、それで終わりではありません。
課税は2段構え。もらって1回、売ってもう1回
整理すると、ステーキングの税金はこうなっていました。
| タイミング | 何に課税される | 必要な記録 |
|---|---|---|
| ①報酬を受け取ったとき | その時点の時価が雑所得に | 受取日時・数量・そのときの価格 |
| ②その報酬を売ったとき | 売値と①の差額が雑所得に | 売却日時・数量・売値・①の取得価格 |
もらって1回、売ってもう1回。2段構えです。
表にすると2行ですが、現実はこの「①」が毎月、受け取るたびに積み上がっていきます。
「受け取るたびに時価を記録」が、どういうことか
暗号資産の価格は、毎日どころか毎分動きます。
つまり、報酬が入るたびに「その瞬間いくらだったか」を調べて、1行ずつ記録しないといけない。1年分をさかのぼるつもりで取引履歴を開いたとき、僕は静かに画面を閉じました。
「これ、全部やるの……?」
売買の損益計算だけなら、まだなんとかなっていました。移動平均法だ総平均法だ(どちらも取得単価の計算方法です)という言葉に殴られながらも、電卓とエクセルで前に進めていた。
そこにステーキングが加わった瞬間、計算量が別次元になりました。
頭を、超えていった
数日、エクセルと格闘しました。
途中で取得単価の計算が合わなくなる。どこかの1行が間違っている。でも、どの行かが分からない。最初からやり直す。また合わない。
税金計算が、僕の頭を超えていくのがはっきり分かりました。
稼いだ金額の問題ではありません。仕組みが複雑な稼ぎ方は、申告もセットで複雑になる。ステーキングを始めたとき、僕はそこまで考えていませんでした。
僕がこうしておけばよかったこと
- 新しい稼ぎ方を始める前に、税金の計算方法まで調べる。「儲かるか」と同じくらい「申告できるか」は大事でした
- 記録は「あとでまとめて」にしない。受け取った月に1行書いておけば、地獄は分割払いにできた
- 自力の限界は、早めに認める。意地で粘った数日は、正直ほぼ無駄になりました
3つ目の「限界を認める」が、このあとの行動につながります。
複雑さは、悪いことばかりじゃなかった
ステーキング自体を後悔しているかというと、していません。あの報酬には何度も助けられましたし、納税のときの支えにもなりました。
ただ、あの複雑な計算に正面からぶつかったおかげで、僕は初めて「これはプロに頼む領域だ」と判断できました。お金を稼ぐ力と、お金を管理する力は別物。それを教えてくれたのは、合わない数字が並んだエクセルの画面でした。
次回は「税理士を探した話」を書きます。