暗号資産に強い税理士が見つからない。紹介の紹介の紹介で、やっとたどり着いた話
前回の「ステーキングの税金計算が複雑すぎて、頭を超えていった話」の続きです。
数日エクセルと格闘して、僕は白旗をあげました。「これは、プロに頼む領域だ」。そう決めたところまでは、よかったんです。問題は、その先でした。
暗号資産に対応してくれる税理士が、びっくりするほど見つからない。
「お金を払えば誰でも受けてくれる」と思っていた
税理士なんて、こちらがお金を払う側です。お願いすれば、当然どこでも受けてくれる。僕はそう思い込んでいました。
近所の事務所に電話して、暗号資産の確定申告をお願いしたい、と伝える。それだけで話が進むはずでした。
現実は、まったく違いました。
「暗号資産は、うちでは……」で電話が終わる
「暗号資産 税理士」で検索して、出てきた事務所に片っ端から問い合わせました。
返ってくるのは、だいたい同じ反応です。
「暗号資産は、うちでは対応していなくて……」
やんわり、でもはっきり断られる。何件かけても、似た空気でした。
理由はあとで分かりました。暗号資産の申告は、税率が最大55%と重いうえに、取引履歴が膨大で、計算方法も特殊。経験のない税理士にとっては、リスクの高い案件だったんです。
ステーキングと言った瞬間、電話の温度が下がる
売り買いだけなら、まだ受けてくれる事務所もありました。問題は、その次のひと言です。
「ステーキングの報酬もあって……」
そう言った瞬間、電話の温度がすっと下がるのが分かりました。
毎月の受取を、その時々の時価で記録する。あの2段構えの計算は、プロでも敬遠する領域でした。自力で詰んだのも、当然だったわけです。
結局たどり着いたのは「紹介の紹介の紹介」
自力で探すのは、早々にあきらめました。
かわりに、周りに聞いて回りました。暗号資産をやっている知人に聞く。その知人が別の知人を紹介してくれる。さらにその先を紹介される。
そうやって3人挟んで、ようやく暗号資産に強い税理士さんにたどり着きました。
正直、実力で見つけたというより、運が良かっただけです。
取引履歴を渡した瞬間、肩の荷が全部おりた
初回の面談で、僕はあの合わない数字だらけのエクセルと、取引所からダウンロードした履歴を、まるごと渡しました。
「こちらで計算しておきますね」
その一言で、数日ぶんの格闘が、すっと肩からおりました。
あれだけ僕の頭を超えていた計算を、当たり前の顔で引き受けてくれる。プロって、こういうことか、と。
これから暗号資産の税理士を探す人へ
同じように困っている人のために、僕がわかったことを置いておきます。
まず、自分でやるのと頼むのは、こんなに違いました。
| 自分でやる | 税理士に頼む | |
|---|---|---|
| 作業時間 | 何日も溶ける | 履歴を渡すだけ |
| 計算の精度 | 合っているか不安なまま | プロが計算 |
| 確定申告期 | 眠れない | 待つだけ |
| 費用 | ソフト代くらい | 十数万円〜 |
費用は決して安くありません。でも、あの数日の消耗と不安を思えば、僕には十分すぎる価値がありました。
探すときのコツは、この4つです。
- 「暗号資産対応」をうたう事務所を探す:普通の事務所より、最初から専門を掲げている所のほうが早い
- 確定申告の時期(2〜3月)を避けて動く:直前は満員で、新規を断られやすい
- 使っている取引所とステーキングの有無を、最初に伝える:あとで「聞いてない」となると断られる
- 見つからなければ、人に聞く:僕みたいに、紹介がいちばんの近道なこともある
稼ぐ力と、管理する力は、別だった
この一件で、はっきり分かったことがあります。
- お金を稼ぐ力と、稼いだお金を管理する力は、まったくの別物。僕は前者だけで、後者はゼロでした
- プロに頼るのは、逃げじゃない。自分の限界を認めて任せるのも、立派な判断でした
- 税理士は「探せる時期」に探しておく。追い込まれてからでは、選ぶ余裕すらない
意地を張って数日エクセルと格闘した僕からすると、3つ目は本当に身にしみます。
丸投げできる相手がいる、という安心
税理士さんに任せてから、確定申告が怖くなくなりました。
数字が合わない夜も、白目を剥く瞬間も、もうありません。稼ぐことに集中できるようになったのは、あの「紹介の紹介の紹介」のおかげです。
お金の管理は、ぜんぶ自分で抱え込まなくていい。それを知れただけでも、遠回りした価値はありました。
次回は、そのすぐあとにやってきた2度目のバブル崩壊で、「手元に現金がない」と初めて青ざめた話を書きます。